当館は明治3年、現在地より少し下の南甫園の地に石村旅館として開業しました。
当主は江戸時代、箱根裏関所の常番頭をしており、明治初期に大涌谷で温泉開発をし、そこより引湯し湯治場として営業をはじめたものです。
大正2年この地に移り、仙郷楼と改称しました。このため私共は仙石元湯場といわれます。
戦前の仙石原は政財界の方々の特殊地域であり眼前の仙石ゴルフコースは昭和天皇が各国外交団と共にプレーをなされました。
当館を御利用された方々は政財界人、画家、文学者も多く渋沢栄一、大倉喜八郎、住友吉左衛門、山縣有朋、原敬、平沼騏一郎、また結城素明、小室翠雲、鏑木清方、安井曾太郎、徳富蘇峰、久米正男、海音寺潮五郎、高見順などです。(敬称は省略)